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【現役看護師が解説】睡眠不足が引き起こす体への“やばい”影響とは

2017年03月27日
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総務省統計局が実施した平成23年度の調査では日本人の平均睡眠時間は全年齢で7時間42分というデータがある。これは世界的に見て最も睡眠時間が短く、生活習慣病の関連など体へのやばい影響も懸念されている。慢性的に睡眠時間が短いことで体にはどんな影響があるのだろうか?

必要な睡眠時間とは

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“睡眠時間が短い”というが、いったい“健康的な睡眠時間はどのくらいか”ということが気になるところ。しかし、実際には“〇時間以上睡眠をとれば健康的”というものはない。よく“8時間以上”と聞くこともありますが、それは世界的な睡眠の平均時間などを参考にしているだけで、8時間以上睡眠をとらなければ不健康というわけではないようだ。

厚生労働省健康局の「健康づくりのための睡眠指針(2014年)」では以下のようなことが述べられています。
〇必要な睡眠時間は個人・年齢によって大きく異なる
〇一人一人が、自分に必要な睡眠時間を知ることが大切である
〇日中の仕事や活動に支障をきたす眠気がなければ普段の睡眠時間は確保できている

そもそも睡眠はどんなものなのか

睡眠不足が健康に悪いというのは想像がつくと思うが、なぜ睡眠不足だと健康を害するのか。睡眠中にはどのようなことが起こっているのか見てみよう。睡眠の役割を知ることでどのような悪影響があるのかがわかるはずだ。

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睡眠についてはまだ解明されていないことも多くありまるが、このような役割があることが解っている。つまり、睡眠時間が不足するということは上記のことが充分に行えていないということになる。では、具体的にどのように影響してくるかを見てみよう。

睡眠不足で起こる体への影響

〇ストレス・疲労の蓄積によるもの
ストレスの蓄積は心身の緊張を高めます。集中力の低下や高血圧の原因となり、動脈硬化への影響も指摘される。その他の生活習慣の乱れもあれば狭心症や心筋梗塞のリスクも高くなるだろう。とくにホルモンの分泌・自律神経のバランスは脳の指示の影響を受けます。そのためホルモン・自律神経のバランスが乱れ、さまざまな体調不良になってしまうことも。

〇身体の成長・新陳代謝・老化防止
とくに成長ホルモンの分泌に影響する。睡眠不足は成長期の身体の発達にかかわるのはもちろん、それだけではなく新陳代謝が遅れるということは傷など組織の回復・病気の回復にも遅れが出るということにもなり得る。

〇血液成分の産生
血液の産生はとくに睡眠中に行われる。赤血球・白血球・血小板などさまざまな血液成分がありますが、赤血球の産生が少なくなれば全身へ酸素や栄養の供給が不足してしまう恐れがある。また、白血球が少なければ病気への抵抗力が低下してしまうという。健康的な状態であればウイルスへの抵抗性があっても、抵抗力が低下していると感染症を発症してしまうこともあるのだ。

〇記憶の定着
学習したことを記憶するのは主に睡眠中だといわれている。睡眠時間が少ないことで充分に脳に記憶することができなくなることも。

〇ホルモンの分泌
睡眠時間が短いことでホルモンの分泌・充足が不十分に。身体の成長はもちろんだが、心臓の動き・消化器官の働きなどはホルモンの影響を受けている。ホルモンの分泌が不十分なことで身体はさまざまな悪影響を及ぼすことに。

睡眠不足は生活習慣病のリスクも

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睡眠不足が及ぼす影響は以上となるが、これらが体調不良や生活習慣病の第一歩となってしまう可能性があるのだ。例えば、インスリンというホルモンの分泌が低下すると血糖値が下降しにくく糖尿病に…。また、ホルモン不足・ストレスの蓄積は心臓や血管の負担を増やし、高血圧症や動脈硬化のもとに。さらに他の生活習慣の乱れなどもあれば狭心症や心筋梗塞のリスクも高くなってしまう。神経には運動神経と自律神経の2つがある。運動神経は“身体を動かす”もので私たちの意思でコントロールできるもので、自律神経は自分の意志ではコントロールできない“自律した神経”だ。自律神経は心拍数や消化器官など様々なところで働いていて、自律神経の乱れは寒気・胃痛・動悸・腹痛・吐き気など、ほかにも多様な症状を引き起こしてしまう。

睡眠不足による身体への悪影響はよく耳にするが、“必要な睡眠時間”というのがとくに決まっていないというのは意外だったのではないだろうか。充分な睡眠がとれないことで様々な悪影響が出ることも改めて認識できたと思うが、大切なのは“日中の活動に影響がない睡眠をとること”だ。また、同じ睡眠でも“22時~2時”の睡眠はとくに身体の回復・身体の成長に重要なホルモンが産生される時間と言われている。この時間はできるだけ睡眠をとっている状態にしたいものである。

 

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